車両はかなり年季の入った代物で、お世辞にも快適とは言い難いです。
各コンパートメントは6人掛けで、それぞれに透明の引き戸が付いており完全に外と隔絶されるわけでもなく、適度な個室感があります。
修復したからでしょうか、座席によって所々色が異なってます。
同一色を使わず、とりあえず直した的なところが潔いですね。
なにより参ったのがタバコ。
部屋全体がタバコ臭くてたまらない。
床にも吸い殻が落ちているし、窓を開けてもなかなか匂いが取れないし、そもそも窓を開けると冷気が入ってきて寒くて仕方がない!
こんな密室の中で吸うなんて、どうかしてるよ・・・。
同室の人が吸い出したら、たまらんだろうな。
後になって分かったけど、大半の喫煙者は廊下に出て窓を開け、外に向かって吸っていました。
もしくは食堂車(いちおう食堂車ということにはなっていたけど、煙幕かというくらい凄まじい煙が充満しており中に入ることができなかったので、どんなものが供されているのか不明です)。
トイレにもかなり強烈なインパクトを受けました。
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セルビアのフシギなトイレ事情
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乗り始め1時間くらいはタバコ臭との戦いに邪魔されましたが、それでも車窓からの絶景は素晴らしかったです。
有名なマラ・リイェカ橋梁(Мост изнад Мале Ријеке)。
山間に時々現れては消える美しい小さな村々。
10月初め、アドリア海沿いの街では半袖でも暑いくらいだったのに、ここでは早くも煙突から煙が立ち上り、庭先で薪割りに勤しむ人の姿が見えました。
国境を過ぎてセルビア側に入ってからしばらくすると単調な風景が続き、日も暮れ始めたことも相まって、辛抱の時間となりました。
それと同時に、列車の速度も自転車並に遅くなり、こんな調子で定刻にBeogradに到着できるのかと疑念が湧いてきます。
しかしこの頃になると徐々に席も埋まってきて、同室の乗客と会話をしたりして時間を潰す事ができます。
運良くBeogradの大学生と出会え、事前に色々な情報を得られたので助かりました。
しかし、日本人と結婚したいから女性を紹介しろと、住所まで書いて渡してきた困ったオジサンもいました。
一駅で降りてくれたから良かったけど、あのままずっと一緒だったら大変だっただろうなあ・・・。
旅の快適さは、同室の客に大いに左右されます。
そんなこんなでBeogradに着いたのは21時近くでした。
飛行機なら1時間たらずなのに・・・。
降り立ったBeograd駅前は暗く閑散としており、ちょっと心地悪い感じ。
憧れの都Beogradにたどり着いたんだ!と感動している余裕もなく、そそくさとホテルへ向かうことを選択。
ただ座っているだけとはいえ、11時間の鉄道の旅は予想以上に疲れました。
※2016年10月時点の情報です