Beograd 360° 団地体験


今回の旅の目的のひとつとして、旧ユーゴ時代に建設された団地を見ることがありました。
とにかく広大で全てを見て回るだけの余裕はないので、Blok33を中心にほんのちょこっと散策した印象を記したいと思います。


Novi Belgradの誕生

ユーゴスラビアの社会主義団地の建設が本格的に始まったのは1960年代から。
戦後の復興と経済発展のため、都市部に人口が集まり住宅の量産が急務となったのです。

社会主義的な思想が反映された都市計画となっており、当時の人々は、そこに未来と希望を見たのでしょうね。
実際、夢と希望を抱いた大勢の若者が「青年労働活動」という名のもとに奉仕活動を行い、建設現場の労働力となったとか。


ベオグラードはSava川を挟んで、旧市街と新市街(Novi Belgrad)に分かれています。
サヴァ川の湿地を埋め立てて建設されたノヴィ・ベオグラードは、坂道もなく整然とした土地に全72の地区(Bloc)で構成されており、現在もベオグラード市民のベッドタウンとして立派に都市機能を果たしています。
1950年代初期から建設が始まったというから、初期の建物はだいぶ老朽化が進んでいるのでしょうね。

Beograd の団地群

どこも見渡す限り団地。
ノッポビルもあれば横長あり。意匠を凝らしたビル、無骨なコンクリートの箱。 といった具合に、個性あふれる建物の集合体が街を形成しています。
ひたすら同じ形の建物が連続する、ということがないので街の雰囲気にリズム感があります。

目に付くのはやはりGenex Tower。


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ベオグラード 美しき西の門「Genex Tower」
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私は行かれなかったけど、このへんの団地も人気だそうです。
・Televizorka(Bloc28) :窓の形がテレビ画面みたい
・Potkovica(Bloc28) :馬蹄みたいなコの字形の建物
・Mercedes(Bloc38) :ベンツのエンブレムみたいな形の建物


旧社会主義時代の団地街というと、なんとなく荒んだイメージを持ってしまいますが、歩道にゴミ箱が設置してあったり綺麗に整備され、とても清潔で住民の生活意識の高さを感じさせます。
そんなわけで、ふらふら歩いていても身の危険は感じません(犬は別として)。 


夕暮れ時、部屋にポツポツと灯りがともり始める時が、団地が一番魅力的に映る時間です。
その中では、いったいどんな生活が営まれているのか・・・?
様々なストーリーが頭をよぎり、ワクワクします。 


また一つ、住んでみたい街が増えてしまった・・・。


※2016年10月時点の情報です