とりわけ香港ではその傾向が強いように感じられました。
実際、香港の街は風水の恩恵を受けており、建物も風水に則って建てられていたりと縁起を担いでいます。
商店の奥には神棚のようなものがあったり、ビルの入り口にも線香が焚かれていたりします。
お参りは香港の人々にとって切り離せないことらしく、街中のスーパーでも普通にお祈りセットが売られています。
お祈りセットには、拝門口、拝大神、拝當天、拝地主、拝祖先などの種類があり、見た目にはわかりませんがそれぞれ用途が違うのでしょう。
このお祈りセットのかわいいことといったら!
神様に捧げるものなので、こう言ったら不謹慎かもしれませんが、原色使いの中華模様がポップで、コレクト心が疼くのです。
しかし家に持ち帰っても使い道がないし、間違った扱いをしたら神様に怒られるかも・・・と思ったりもして、購入は思いとどまりました。
そしてこんな物まで売られていました。
紙紮と言い、亡くなった方の為に、紙でできた家や身の回りのものを燃やす儀式で使います。
生前の故人の思いであったり、天国での生活に困らないよう、との思いがこめられているそう。
そしてこれまた、おままごとチックでなんとも心くすぐられます。
縁日の屋台で売られてもいそうですね。
オーダーメイドも可能だそうで、私も死んだ時のために作っておいてもらおうかと思案しています。
以前、台湾の糊紙(台湾では紙紮をこう言う?)職人の記事を読んだ際、近年では環境保護の観点や、燒靈厝を行うための空き地の低減、マンションの増加などにより簡素化されたり、需要が減っていると書かれていました。
こういう伝統がなくなってしまうのは、どこの国も同じなんですね。
「父後七日(父の初七日)」
台湾の映画ですが、中華圏の伝統的なお葬式風景をコミカルに描いています。
燒靈厝のシーンも出てきます。
以前は中華的できらびやかなお家が一般的でしたが、最近ではフロリダ辺りにでも建っていそうなプール付き高級住宅みたいなのも作られているそう。
時代の流れですね。
こうやって神様をみていると、そこから人々の文化・風習・生活が見えてくるのが面白いですね。
そして街角に線香が灯る光景が、いつまでも消えないで欲しいなと思います。
※2017年6月時点の情報です