香港 massive apartments vol.1


Tong Lau (唐樓) + Old Apartment Blocks

香港に集合住宅が建設され始めたのは19世紀中頃からだそう。
1960年代までに建てられた建物は唐樓と呼ばれ、まだまだご健在です。
 そのくたびれ果てた容姿を惜しげも無く披露し、香港の街に味わいを与えています。


1950年代からは公共団地も登場します。
しかし残念ながらこの時代に建てられた公共住宅は続々と解体され、再開発の対象となっているようです。 

初期の公共住宅は第一型と呼ばれるアルファベットの「H」型をしていたそう(公共住宅の形状は主に6種類ある)。
 6,7階建で各階に60〜72戸あり、平均120sqf(香港ではスクエアフィートを採用。sqf×0.093=㎡)なので、平米に換算すると11.16㎡。そこに4.5人が暮らしていたとか!

 そして各戸内にバストイレは無く、共同だった。
 (「美荷楼」の展示パネルに書かれていた公共団地の変遷の引用。)


民間住宅も同じような間取りだったのでは?と推察されます。
さすがにもう、ここまで過酷な住戸は残っていないでしょうが、外観から察するに快適とは言い難い感じです。
でも住んでみたい!


 コーナー部分が曲線になっているのは、オールドスタイルの一つの特徴だと聞いたことがあります。


 理由は定かではありませんが、近隣の建物の角が住宅(特に玄関)に向かってあると風水的に良くないとかそんな話もあるそうで・・・(隔角殺と言うそう)。 


そしてオールドスタイルの物件には多くの場合、ルーフトップハウスが華を添えています。


ちょっと分かり難いけど、建物上部の高さの異なるブロック群が増築部分と推察。
屋上家屋については、「樓上風光-香港天台窩 (Portraits From Above-HongKong's Informal Rooftop Communities)」という本に詳しく書かれています。 

こんな具合に名もなき名建築たちがひしめき合う香港の街。
どれも甲乙つけ難いくらい個性にあふれています。


 「公屋」と言われる公共団地については次回・・・。
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香港 massive apartments vol.2
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 ※2017年6月時点の情報です